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ナレーション
「とある街のとある場所に古びた洋館があった。」
「昔、とある高利貸しの一家が住んでいたらしいが今では外壁を蔦が覆い、庭には雑草が茫々と繁り、大きな鉄門はすでにひしゃげており、生活の後はすでに失われている」
「近所の子供達からお化け屋敷と称されているこの館は、所有者がいなくなって何十年も経っているにもかかわらず、今だに取り壊されない不思議な館として語り継がれているのだった」
「そして、今、その館に一つの影が近づいていた。それは、少年」
「十代後半ほどであるかと思われるその少年は、鉄柵を乗り越えて館の中へて入ると、物おじする様子もなく玄関と思われる扉を開ける」
灰汝
「お待ちしておりました、睦月様」
ナレーション
「玄関ホールに立っていたのはメイド服を着た少女。」
「少女はゆっくりと頭を垂れる。そして再び頭を上げて言う。」
灰汝
「皆様はもうお集まりになっていますよ。では、ご案内いたします。」
ナレーション
「言って歩きだす少女。少年もその後について行く。」
「長い階段を降りることしばらく、二人は大きな扉の前へと辿りついた」
灰汝
「では、お入り下さい‥‥」
ナレーション
「少女は扉を開けた」
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