第3話。

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__鈴が引っ越して、凡そ4年が経ちました。 鈴は小学6年生になっていました。 …その頃には、ゆんなとも余り連絡は取らない様になっていました。 お互い、引っ越したばかりの当初は、電話ばかりしていたと云うのに。 ……友情って、儚いんだなぁ…。 と、大きくなった鈴は思いました。 大きくなって、段々と大人に近付いていくにつれ、電話の回数は減っていき、遂には全くしなくなりました。 …どちらからと云う訳でもなく、ただただ時の流れに流されながら……。 「…行ってきます。」 家の玄関から奥に向かって、挨拶をする鈴。 …返事は返ってきません。 お母さんの仕事は、引っ越してきてから益々忙しくなっていました。 …女手一つで育てるには、それ程大変なのです。 鈴は寂しそうな表情をしながら、家を後にしました。
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