第3話。

6/7
前へ
/17ページ
次へ
そして、鈴はブランコの前に来てしゃがみ込むと、みみちゃんをそっと手の平の中に包み込んで持ち上げました。 __泥なんかが付いて、少し前より黒くなった白い毛。 苦労したのね、貴方も。 よしよし、と撫でてあげる。 少しだけ、泥がとれた気がした。 そして少しだけ、表情が笑った様になった気がした。 ぬいぐるみなのにね。 「…ゴメンね。」 貴方を、無くしてしまってゴメンなさい。 私は何時の間にか泣いていた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加