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15才……12月15日
自然な出会いだった。
当時の俺は何もかもにムカツき
やり場のない怒りを抱えてた。
傍から見れば思春期によくある
ただの反抗期ってやつ
先の見えない不安…
独り孤独という魔物と戦っていた…。
いつもの様に学校へ向かう。
いつもいつも同じ毎日の繰り返し
俺は缶コーヒーを胃に流し込みながらバス停へと歩いていた。
朝7時40分。
何も変わらない空気。
何も変わらない景色。
あー消えてしまいたい…。
俺は全てから逃げ出したくなっていた。
ブロロロロロ…
黒い息を吐きながらバスが来る。
『また昨日と同じ今日が来る…か。』
ため息まじりに呟き、薄暗いバスの中に入る。
古いバスはギギギ と音を立てドアを閉めた。
ハァ… 後三つ過ぎたら着いてしまう……。
バスから見る景色が嫌いだった。
移り変わる町並みは好きだったが、
閉鎖された学校という収容所へと向かう景色が
俺の精神を不安定にさせた。
ブロロロロロ…
ハァ… 後一つ過ぎたら着いてしまう…。
カウントする自分が嫌になり目を閉じる。
プシュー…
一人誰かが乗ってきた。
「あれ?久しぶりやん。何しようと?」
誰だ?コイツ…
目を開けると
車内はほぼ空席なのに
突然その女は隣りに座った。『えと、誰やったっけ?』
「岡崎君と中三の頃同じクラスやった藤田ぁ。忘れたとー?」
冴えない藤田ならわかる。
勉強はそこそこ
運動は出来ない日陰に居る感じの弱々しい女だった。のだが、
目の前の藤田は茶髪の大人びた感じで
どう生きたら一年でこんなになるんだ?と驚きを隠せなかった。
『はぁ?お前何があったん?学校は』
「辞めた。まじウケんやったけん」
身の上話をしてる時、バスは無情にも学校前に着く。
『すまん、、、俺ここやん学校…』
「あーごめんね、またいつか話でもしよっ」
寂しそうな表情を一瞬して
笑顔で藤田は手を振る。
孤独、、、
こいつも俺と同じなんだ…
そう思うとバスを降りる事が出来なかった。
『どーせ暇なんだろ?今日はお前、俺に付き合えよ』
そう言いながら席に着くと
そのままバスは加速した。
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