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「それって……どういう……」
「信じてるの、守を。あいつは黙ってどこかにふらっと消えるような奴じゃないことは私が保証する。戻らないなら何か仕方ない事情があるかもしれないじゃない」
舞は笑顔を絶やさずこう続けた。
「気長に信じて待ってみない?あなたは守にとって大切な人。そんなあなたが暗い顔してちゃ、守だって暗い気持ちになっちゃうよ」
「…………」
……信じて待つ。
そうか……私は大馬鹿者だ。
守が顔を見せないからって一方的に死を決め付けて……1人で勝手に絶望して、1人で勝手に塞ぎ込んでる。
さっき峰崎が怒った理由が分かった。
信じていなかったからだ。
私が……守を。
情けない。あれだけ惚れといて、1つ約束を守ってくれなかっただけで信じる気持ちを忘れるなんて。
私、最低だ。
「……ありがとう。元気出た」
私は涙を拭いた。後で峰崎には謝っておこう。
私は待つ。守の帰りを。
マフィエクが敗北した以上、これから乗り越えなければならない苦難の波はより高く、激しくなる。
でもどんな絶望的状況に陥ろうと……どんな危機が私達に迫ろうと、生き延びる。
また守に会うために。
そして私達が守り抜く。
マフィア エクスターミネーターズを。
私達の……暖かなホームを。
MAFIA EXTERMINATERSⅡ loss to the bottom
完結
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