第1章 旅の始まり

6/29
前へ
/98ページ
次へ
俺はステータスを選んだ。 カリム とあることがきっかけとなり、この世界に迷い込んでしまった哀れな主人公。 元の名前は 徳井 裕也 らしいが、もう使うことはないので、覚える必要もない。 この世界での設定は、ある国の王子として産まれたカリム。 この国の王家に伝わる、恒例の行事である狩龍日を迎え、カリムは龍を捕らえなければならない。 捕らえた龍は、カリムの今後のパートナーとなる。 という説明のページと、もう一枚ステータスのページがあった。 カリム ♂ 16歳 レベル5 攻撃力 18 防御力 12 素早さ 15 魔法攻撃力 19 魔法防御力 15 元の世界に帰りたい度 0 今の世界を満喫する度 100 ゲームオーバー数 0 HP41 MP30 ………なんだこのゲーム。 とにかくやってみるっきゃないか。 装備品が、狩龍剣だけじゃ頼りないな… 何か買おうにも、金はないし…… ……だったら情報収集あるのみだな。 こういうゲームは、街の人に話し掛ければ、何か起こるって仕組みなはず…… 俺は十字キーを倒し、街の人の前で○ボタンを押した。 「あら、カリム王子。狩龍なんて大変ですわね~! これは、私からの心ばかりの餞別です。 受け取って下さい」 そう言われて、笹にくるまれた団子をもらった。 だが団子は、手に持った途端、消えてしまった。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加