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その刹那―
俺チャンは見てしまった…女将の涙を…
俺チャン「ママ…」
女将「…ごめんよ、今のアンタのそんな姿、見てられなかったから…」
暫時見つめ合う二人―
店内には他に誰もいない…
妙な静けさと、おでんを煮る「コトコト」という音だけが鳴り響いていた…
…そして、どちらからともなく…二人は抱き合った。
いつもは気丈に振る舞う女将が、今だけは頼りなげに俺チャンの腕の中で揺れていた―
第一章 完
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