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ついにハローベストを付ける日がきた…
医師が二人、一人はベテラン一人は若手のようだ。
若手医師の手にはバリカン。
『髪はまた生えてきますから…』
慰めの言葉だと思いながらも涙が止まらない。
やはり髪は女の命なんだなぁ~と実感する。
バリカンが髪に入った。
コメカミからずっと後ろまで、休むことなく髪を刈り上げていく。
不思議な髪型になった私に今度は消毒が塗られ、麻酔を何本も頭に打たれた。
数少ない感覚ある部分の一部である頭部。
これからピンで頭蓋骨までとめるため、小型ドリルが用意された。
作業は続く。
ドリルがついに頭に入っていく…
「ぎゃぁぁぁぁぁあっ」
信じられないくらいの痛みが。
「…先生、めちゃめちゃ痛いのですが本当に麻酔効いてるんですか?」
『麻酔が効いてるからこのくらいの痛みで済んでるんです』
あと五本、この痛みに耐えるのか…
ため息も出ない。
今更ながら言うまでもないが~
髪を切られたショックは激痛で吹き飛ばされていた。
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