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胸の辺りまである板に、こうして私の頭は固定された。
六本の頭蓋骨まで突き刺さったピンで…
その姿は観音さまの後光のようだ。
麻酔は効いているのだろうか~頭が痛くて目が回る。
しかし、思ったよりは髪は刈り上げられなかったかな
正直もっと凄いのを想像していた。
やがて、床屋のオジサンが現れた。
プロではない医師が、取り敢えずバリカンで刈ってしまったので、私の髪を綺麗に整えてくれるらしい。
私は安心していたが、なんとオジサンの手にもバリカンが…
『髪はまた生えてくるから~』手慣れた早さでバリカンは踊る。
『終わったよ…』とオジサンの声。
鏡に写ったのは、涙でふやけた私の不細工な顔と想像以上に刈り上げらたワカメちゃんカットだった…
シャンプー、マッサージなし出張費込みの6000円の髪型である。
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