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母は興奮気味に話しつづける。
『この病院の中に、すっごい大きな本屋さんがあるの、びっくりしちゃった!』確かに大学病院なだけあるのだから、相当立派なんだろう…
私がいる救急の部屋も広くて確かに綺麗だ。
だがテレビなど娯楽は何もない。
仕方がない、緊急用のへやなのだから。
いつしか部屋の片隅にあるラジカセから聞こえるFMラジオが、唯一の楽しみになっていた。
本当にラジオなんて何年ぶりに聞くだろうか…
たまに、角度が悪いと音が聞こえない。
私は、全くの安静のため天井しかみえない…
私は一生懸命耳を傾け、ラジオを音を探す。
淋しい娯楽である。
そんなとき、部屋の移動の話がきた。
ハローベストも付き安全に移動ができるようになった為と、普通の部屋がどうやら空いたようだった。
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