最新大病院は超貧乏?

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私は婦人科に部屋が変わることになった。 ナースマン(男性の看護師をこの時の入院で初めて見た)達が、私の体を持ち上げた。 体が縦に… その時、一瞬だが事故以来の外の景色が窓から見えた。 感動で涙が溢れた。 なんでもない普通の景色だったが、目に入ったものが天井でないだけで嬉しかったのだ。 ストレッチャーに寝かされ、隣の棟へ移動。 私は4月5日の転院までここですごす。 部屋が変わり大きな気分転換になったが、相変わらず微熱がさがらず頭が痛かった。 「これで頭を冷やしてください」とナースが持ってきたのは白っぽい半透明の袋に水を入れ凍らせたものだった。 おでこにタオルを乗せ、その小さな氷袋みたいな物を乗せた。 『これってまさか、氷嚢(ひょうのう)とかいうやつでは?』 おいおい、昭和の初期かよ…一体ここはどうなってるのやら? しかし、洗面器に氷水いれて洗ったタオルで頭を冷やしていた時よりは200年くらいは進歩したかもしれない。
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