どうする、私

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約一週間、私はこの救命室で過ごした。 頭がかゆい… 指はおろか、腕も全く動かない。 ナースを呼んで掻いてもらう有様。 食事はエードヘルパーと呼ばれるスタッフが食べさせてくれた。 前掛けをかけ、ボロボロ食事をこぼしながら食べる。情けないが、こんな方法しか食べれないのだ。 この前まで、一歳の息子に離乳食を与えていた… いまの私は、まさに全く逆の状態である。 ある日の食事にバナナがでた。 看病に長野から来た母が、『バナナ剥いてごらんよ』 どうしても指に力が入らない。 「お母さん、無理だよ」 母はバナナの頭を少し剥いてまた私に渡した。 『これなら剥けるでしょ?』 バナナとにらめっこ… やはり指に力が入らず少しも剥けない。 虚しいばかりの気持ち。 母は、私の状況がまだ受け入れることができないのかもしれない。 今は剥けるようになったバナナをみるたびに、私はこの時の出来事をいつも思い出す。image=46242894.jpg
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