プロローグ

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 寒い……。何も見えない……。冷たい床の上にでも寝そべっているのだろうか。  閉じた瞼の上から、光が薄く射している感触があるから、おそらく仰向きなのだろう。 「……ん……に……ってしまうのか」 「もう……とに……戻れん……」  二人、男の人の声がする。多分、大人だ。 「やるわよ。……わね?」  今度は女の人の声。先程から知らない声ばかりだ。それに皆小声で聞き取り辛い。  それにしても、此処は何処なのだろう。  目が開かない……というより、体全体が動かない。 「おい!……達が……ぞ!」  四人目……また知らない男性だ。  ねぇ、あなた達は誰?  僕は……誰?
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