11人が本棚に入れています
本棚に追加
「ならば、私に勝ってみせろ」
それが返答だった。
それ以来ロイスには、ネフィと戦うことが日課になっていた。
「ロイス!」
ロイスを呼んだ声は、訓練所の階段の方からした。
「どうだった?」
灰色の髪、整った顔立ち、腰には長剣を装備している。
年は二十台半ば、といったところだろうか。
ロイスよりも背は高く、向けられた笑顔が爽やかである。
「ゼア!どうしてここに?」
ロイスは、下へ続く階段の側にいるゼアに、駆け寄った。
「ネフィ殿に用があってね。試合の調子は?」
「まだまだ……かな」
「そうか……そうだろうな」
ゼアと呼ばれた男は、残念そうな、しかしどこか安心した様な顔をして、ネフィに向き直った。
「ネフィ殿、少し宜しいですか?」
「どうした」
最初のコメントを投稿しよう!