一章~薄月夜の邪念~

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「ならば、私に勝ってみせろ」  それが返答だった。  それ以来ロイスには、ネフィと戦うことが日課になっていた。 「ロイス!」  ロイスを呼んだ声は、訓練所の階段の方からした。 「どうだった?」  灰色の髪、整った顔立ち、腰には長剣を装備している。  年は二十台半ば、といったところだろうか。  ロイスよりも背は高く、向けられた笑顔が爽やかである。 「ゼア!どうしてここに?」  ロイスは、下へ続く階段の側にいるゼアに、駆け寄った。 「ネフィ殿に用があってね。試合の調子は?」 「まだまだ……かな」 「そうか……そうだろうな」  ゼアと呼ばれた男は、残念そうな、しかしどこか安心した様な顔をして、ネフィに向き直った。 「ネフィ殿、少し宜しいですか?」 「どうした」
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