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陸遜「えーと…あ、こっちですね」
陸遜は地図を見ながら蜀漢を目指して歩いていた。
陸遜「あ…あと少しで曹魏ですね。関わらないようにしないと…」
陸遜がそう思いながら歩いていると…
陸遜「…」
陸遜は見た。
『曹魏』と書かれた札の前で
倒れている人間を。
陸遜「(関わらないように…関わらないように…)」
陸遜は勇者にも関わらず、
倒れている人間の横を
素通りした…つもりだったのだが…。
―――ぐわしっ!
陸遜「!?」
陸遜が恐る恐る振り向くと…
司馬懿「倒れてる人間の前を素通りとは…馬鹿め…が…!」
なんだがやけに顔色が悪い人が陸遜の足にしがみついていた。
陸遜「いえ…誰か人を呼んでこようと…」
陸遜は苦しい言い訳をした。
しかし…
司馬懿「…ならば、曹魏の村に人を呼びに行けば…良いだろう…ゲホッ!」
陸遜「そ、そうでしたね…」
司馬懿「…ゲホッ!ゴホッ!」
陸遜「あの…大丈夫ですか?…色々と」
よく見てみれば着ている服はボロッボロに破けている。
司馬懿「あぁ…大丈夫だ…ケホッ!蜀漢の罠にハマっただけ…ゴホッ!」
そういう本人はちっとも
大丈夫そうじゃない。
陸遜「…って、貴方、蜀漢に行ったんですか!?」
司馬懿「行ったが…それがどうかしたのか?ケホッ」
陸遜「実は私、今から蜀漢に行こうと…」
司馬懿「本当か!?」(大声)
陸遜「え…はい…」
陸遜は今まで弱々しい声しか出していなかった人が、いきなり大声を出したので驚いた。
司馬懿「フハハハハ!そうか!お前も蜀漢に行くか!」
いきなり大声を出したと思えば今度は高らかに笑い出した。
あまりこの人は関わらない方が良さそうだ…。
そう思った陸遜は…
陸遜「あ…では私は急ぎますので…お元気で!」
陸遜はそういって立ち去ろうとしたが…
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