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孫権「陸遜…容赦はせぬぞ!」
陸遜「望むところです!」
両者が雪玉を手に取る。
孫権「…行くぞ!」
先に投げたのは孫権だった。雪玉は確実に陸遜に向かっていく。孫権は勝利を確信した。
が…
―――ボッ!
孫権の投げた雪玉が陸遜の足元に落ちた。いや、溶けた。
一瞬、皆何が起こったのかわからなかった。
孫策・大喬・周瑜・小喬は突然の出来事に雪玉を避けるのも忘れて4人ほぼ同時に雪玉が当たった。
孫権が我に返り陸遜に視線を移すと…
陸遜「私の勝ちですね」
火矢を手に持った陸遜が爽やかな笑顔を浮かべたまま、雪玉を孫権に向かって投げた。
―――ボスッ!
孫権の肩の辺りに当たった雪玉は、役目を終えるとパラパラと地に向かって落ちていった。
孫権「ま、負けた…」
孫権はその場に崩れ落ちた。
陸遜「殿、私達の勝ちですよ」
孫策「あ、あぁ…そうみてぇだな!陸遜よくやった!」
そう言う孫策の顔は明らかにひきつっていた。
陸遜「では、私は部屋に戻らさせて頂きます。仕事がありますので…もうこんなくだらない事で呼び出さないで下さいね?」
孫策「お、おぅ…」
陸遜「…では」
そういうと陸遜は、自室へと戻っていった。
一同「…」
その場に残された者は皆、陸遜の背中を見えなくなるまでただずっと眺めていた。
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