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しかし、殴りかけた拳は目標を達成出来ずに俺の右手内で止まった。
彼は戸惑い隠せず動揺していると、もう一人が右側に周り込み殴りかかる。
俺は呆れつつ大きく後ろに下がる。右手の中の拳を離さないまま…
結果殴りかかった拳は見事に始めに殴ろうとした彼にヒットした。
何時までも握っているのもイヤだし彼の拳を離すと、二人はまた猿のように雄叫びをあげ襲いかかる…
はぁ~俺は呆れながら二人の攻撃を右へ左へかわしていき、二人は空気を殴り時々お互い殴ってしまいながら振り回されていた。
10分後二人は肩で息しながら
『ちょこまかしやがって!!』
っと言ってくる。ん~無条件で殴られるほど心広くないから逃げるのは当たり前なんだが…やっぱり言葉知らないのか…
そんな事考えていると一人何を思ったか子犬を抱え
『次逃げたらこいつ痛めるからな!!』
ん~バカだ!!何が馬鹿って?物使って脅迫してくる事。俺を怒らせた事だな。
『分かった。逃げない、それで良いんだな』
『あぁ!!俺等に殴られて死ねや!!』
そう吐き捨て、こちらにまた殴りつけようとする。
だが俺はそれより早く子犬を持っている男性に駆けつけ蹴りを入れた。蹴られた男性は予想外の表情を作り失神している。捕まえていた手にも力抜け子犬は無事自力で逃げ出していた。
殴りかかっていた男性は空を切った後こちらを見ると相棒は倒れて肝心の子犬は居ない。居るのはさっき殴ろうとしたヤローのみ…
さっきまでの威勢は消え一気に怯えが入っている。俺は彼を見つめ呆れたように
『もぅ~良いから消えろ』
そう伝えると彼は相棒を抱えて走って消えていった
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