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「――親父なんか知るか……!ダメ親父め!」
悪態をつきながら金髪の少年は空港を出た。
年は16程で金色の髪は長めでうなじの辺りで縛り、肩甲骨まで伸びている。サングラスの奥の瞳は黒色で肩からエレキギターの入ったソフトケースを担いでいる。
「何見てんだよ!」
視線を感じて少年が周囲の人に言った。不機嫌そのものだ。そしてサングラスをかけ直すとバスに乗り込んだ。
「とりあえず、ゼンの所行くか」
席に深く座って少年が呟く。少年――白鳳音瑠――は苛々しながら窓からの景色を眺めていた。
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