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「ネル、ちょっと乱暴過ぎるよ」
蹴り飛ばされたイスを見て善がたしなめた。
「そんなの知らない!人を殴るよりイス蹴り飛ばした方が優しいね!」
「……ネル、友達いる?」
小さく善が尋ねた。するとネルは口ごもってから、舌打ちをした。
「どーせ、友達もいない根暗野郎だよ!」
「ねぇ、ネル……。寂しくないの?心を許せる友達の1人もいないで」
優しく善が言うと、ネルはまた舌打ちをして善の襟を掴んだ。
「寂しくない!心を許せる友達?そんな綺麗事が何になる! That's disgusting!」
「……ネル……。分かった、兄ちゃん達には言わないから。うちにいなよ」
ため息をしながら善が言った。ネルが手を放して目をそらす。
「いい?俺は仕事でいない時もあるけど、地方に行かなければ夜中には帰ってくるから。それまでは大人しくね」
「……分かった」
「じゃ、後でベッドの1つも持ってくるからこの部屋は好きに使って。でも、物は壊しちゃダメだよ」
言って善が部屋を出て行った。
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