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青い空へと解き放たれる白い花びらを見送り少年は呟く。
「春だねぇ」
見上げると無数に枚散る花弁のひとひらに飛び付く。
「とれた。一回で採れるのすごくない?おーい、圭吾、ケーゴくーん聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。すごいすごい」
日本某市。普通の公立小学校の五年生の二人は下校していた。
桜と戯れるのは、下だけの半フレームの眼鏡にアジアンチックな個性的な服と帽子がデイリースタイルの柴一純(シバカスミ)。
本を読みながら隣を歩くのは、ボタンシャツ、ショートパンツ、ハイソックス、革靴。スタイリッシュなスタイルの氷室圭吾(ヒムロケイゴ)だ。
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