~体験~

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俺は涼に連れられて来たのは街の中央にある古びた洋館…看板にはなぐり書きで“ギルド 黒き翼”と書かれていた。 扉に手を掛けゆっくりと開く。 ギィィ…と錆び付いた音を立てて重い扉が開く。 そこに待ち受けていたのは…1羽のカラス。 「なんだ、カラスか。シッシッ!」 「…小僧、我に向かってシッシッとは何事だ。我は黒き翼の主と知っての事なら容赦せんぞ?」 「か、カラスが喋った!?」 「す、すいませんでした!ほら、武人も謝れ!…えーと、この人が此所のギルドマスターのウェリオスさん。俺らの雇主だ。」 「(人って…どうみてもカラスだろ…たかがカラスに雇われるのか俺…)」 「…たかがカラスで悪かったな小僧。雇われるのが嫌なら出て行ってもらっても良いんだぞ?」 ゲッ…聞こえてる…。 「…い、いえ、そんなことは。俺、こう言うゲームとか初めてで何も分かんないんです。だから、その…すいませんでした!雇って下さい、御願いします!」 「…ふんっ、たかがゲームと考えてると痛い目見るぞ。まぁいい…我のギルドに入りたいんだな小僧?ならば主を試さねばならん。」 「試験を受ければ入れてくれるんですね!?どんな内容ですか!?」 「この街の外にいるズーと呼ばれる巨大鳥の翼と爪を持って来たら仲間と認めてやろう。奴は小僧みたいな活きが良いのが大好物でな、腹腸引きずり出して食い漁る化け物だ。お前みたいな小僧で勝てるかな?…フフフ。」 「うわ…。で、でもやります!やらせて下さい!…でも俺丸腰なんですが…」 「…なら倉庫から勝手に持って行くが良い。それから涼、お主は小僧の子守をしてやれ。」 「わかりました!じゃあ倉庫見て来ます!」 「倉庫は奥の部屋だ。整ったらまた我に話し掛けろ。」 俺は倉庫に向かった…。 あまり乗り気じゃ無かったけど、変なカラスの挑発的な態度になんか燃えてきた!あのクソカラス…絶対見返してやる…! ---一方その頃。 「ウェリオスさん…俺の時試験なんて無かったですよね?なんで武人には…」 「…たかがカラスと言った罰だ。たっぷりと痛い目に合わせてやれ…フフフ。」 「はぁ…。というか、武人みたいな素人でズーに勝てますかねぇ…?」 「心配するな。その為にお主に子守を頼んだのだ。色々教えてやれ。なぁに、いざとなれば我も手を貸してやるよ。…ちと腹立たしいがな。何処までやれるか見物だ。」
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