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ガタゴトガタゴト
定期的に音をたてながら、馬車は雨の中を走る。
雨の音は激しくなり、視界もどんどん悪くなる。
ガタゴトと揺れる度、手元に握った白いマーガレットも揺れる。揺れる度、優しい香りがする。その度……君の笑顔を思い出す。日だまりの様な優しい笑顔。
君がいる城を、馬車の窓から見つめる。
……?
何かが……前の方で動いた様な気がした。雨が激しく、視界が悪いため、ハッキリとは分からない。人の様にも見える……。
人の様にに見えたモノは全く動かない。
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