事件

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   気のせいか……?  だが……。 「前に誰かいるかもしれない……スピードを緩めろ」 「王様? いないと思いますが……」  馬車はスピードを緩めない。ガタゴトガタゴト、定期的に音を刻み続ける。  こちらを振り向き困ったように、首を傾げる。  そして見えた人影。 「前!!」  間に合わない!! 僕は馬の手綱を奪って、無理に避けようとカーブをきった。  キキキー!!  と嫌な音がして……グラリと馬車が傾いた。  
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