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目を閉じては思う。
あの事さえなければ……。
と。
思うだけ無駄とは知りつつも、何度も頭をよぎる。
その思いを振り切るかの様に、私は顔を洗う。そして着替える。いつもの服とは違う服に。
鏡を見つめ、私は私を確認する。いつもの顔。だけど、短い白銀の髪。服はいつものドレスとは似ても似つかない。
ふと窓の外を見つめると、いつもと変わらぬ景色。
いつもと同じ景色。
なぜ……昨日と今日で、景色は変わらないのに、私はこんなに変わるのですか?
返事が帰って来るはずもなく、悲しく涙は私の真っ白な頬を伝って、ポタポタと床に落ちた。
なぜ私は泣いているのでしょうか?
この問いも返って来るはずもなく、またポタポタと涙が落ちた。
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