女王様

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 外を見つめたまま、私は何も言わず、ただ立っていた。  メイドも静かに、何も言わず立っていた。  静かな沈黙。 「まだですか!?」  そんな沈黙を破る、外から聞こえる無粋な声。私はチッと聞こえる様に舌打ちをした。 「女王様……今なら間に合います!! こんな事……お止めになっ」 「もういいんだ」  私は彼女の言葉が終わる前に、笑顔で伝える。 「ありがとう」  私は彼女の顔を見つめ、まっすぐに伝えた。彼女は一瞬目を見開いて、静かにうつむき、 「礼を言われる様な事など……私は何もしておりません」 と、首を振りながら言った。 「いや……最後まで私を女王と呼んでくれたではないか。それだけで、嬉しいのだ。最後まで、私を私として生かしてくれた」 「女王様……」 「そして、私を私として長生きさせようとしてくれた」  私は、静かにマントを羽織る。そしてメイドに向き合い、静かに頬を撫でた。 「それだけで十分だ」  
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