flora

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華やいだ季節に君はいない 栄える景色さえも色褪せて…   変わりゆく風に 二人の手は解かれ 残る温もりさえ 僕から遠ざかっていった とめどない想いも 灯されてた祈りも 霞みゆくことなど 初めから知ってたつもりさ   囲まれた灰色の壁に 呑み込まれてしまいそう 覗いた水溜まりには どんな顔が映るの?   華やいだ季節に君はもう… 忘れえぬ薫りだけを残して 虚ろいだ街並みに消えてゆく 後ろ姿にまた 恋焦がれてしまって   手を伸ばしてみれば また君を掴めそうで 瞳の中に残像を残した 心の中に温もりを感じた   輝いた記憶の君は眩しくて 誰よりも愛おしく感じて 流れていく雲からもれる光も きっと妬くはず 君という光に   華やいだ季節に君はいない 暖かい日差しの中、一人 霞みゆくことなど 初めから…なんて嘘は もうつきたくないよ 恋焦がれて しまったままでいたい   冷めた温もりさえ 僕を包みこんでくれたから
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