死にかけのきみへ

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   互いに歩み寄りたいのだ。  互いにぬくもりを分かち合いたいのだ。  けれど、互いに己の針が赦さない。  互いに痛みを与えてしまう。  互いに傷を与えてしまう。  けれど、ふと。  彼は気付いたのだ。  互いに近くに在るだけで、  心はぬくもりを帯びていたことを。  ああ、なんだ。  きみ、そこへいたのか。       針鼠のジレンマ  
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