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いらっしゃいませ お嬢さん
赤いカーペットで迎えましょう
ようこそ 赤いオブジェの屋敷へ
どうぞこちらへ お嬢さん
椅子を引いて差し上げましょう
さぁ手を取ってお座りください
あらあら 気を許してしまわれて
まだまだ 堅く閉ざして下さい
楽しみはこの後なのですよ
静かな淫らな夜が幕を上げます
その白い喉をかきむしって
艶ある声を聴かせましょ
渇きある地には潤いを
貴女で華を飾りましょう
どうぞこちらを お嬢さん
甘いワインとお肉が並ぶ
長いテーブルの上の一瞬の一時を
どうぞこちらへ お嬢さん
お湯の準備が整いました
ごゆっくりとごゆっくりと
お入り下さいませ
あらあら もぅ眠いのですか
まだまだ 夜は永いのですよ
目を綴じて終われたら
それが貴女の望みになるのです
最期にお伝えします
15人目の愛しい貴女へ
その美貌はこの地と共に
永遠に生き続けるのでしょう
哀しげに飾り付けられた
広い庭の華のように
咲き続けて 裂き続けて
何時までも残しておきましょう
金糸の髪に指を絡ませて
薄い紅に接吻しましょ
白には紅がお似合いです
一瞬のドレスで飾り付けましょ
肌理の細かい真珠の肌に
冷たい薔薇を差し上げましょう
翡翠の瞳に写るのは誰?
消えない美しさは眠るのです
その白い喉をかきむしって
艶ある声を聴かせましょ
渇きある地には潤いを
貴女で華を飾りましょう
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