一章 三人

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少女は重い口を少し開き小声で震えながらこの町に起きた事を教えてくれた。 「国の偉い人がこの町の人々全員に月々のお金を払うように言ったの…お金を払えなかったら身の回りのものを奪ったり、奴隷としてどこか遠いところに連れていかれたり…」 少女は泣きだしてしまった。 今の話が少女のまわりで起こったことなのだろう。 華やかな商店街とは逆に裏側の民家で生活している人たちを見ると、少女のように、貧相な服装をした者ばかりだった。 「国と国との争いがこんなにも影響しとるとはな…」 「…ジアン…なんで人は争うんだ?人を不幸にしかできないのに」 「それは…違いがあるからや」 「違い?」 「考え方、種族、貧富、年齢、見た目…そんな違いが人は怖いんや」 ゼロは少し黙り込むと、急に立ち上がった。 「オレ、今からそいつらぶっ潰してくる!」 「アホっ!」 急ぎ先ほどの商店街に行こうとするゼロをジアンは首根っこを掴み、引き止めた。 「迂闊に国の兵士とやってみぃ!俺らは死ぬまで追われる身になるんやで!?」 「でも!!」 「でもやない!!」 「ジアン」
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