一章 三人

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二人の喧嘩を止めたのは黙って二人のことを見ていたフェレオだった。 フェレオはにこっと微笑み、占いに使う羅針盤を手にした。 「その人たち…調べる価値あると思うよ…黒い影が見える」 フェレオの占いによると、偽り、悪魔、そして盗み といったものに針が向いているらしい。 フェレオが使う羅針盤はフェレオにしかわからないのであいまいにしか説明はできないが…。 ともあれ、ゼロたちはとりあえず場所を変えることにし、助けた少女、エクレアの家にお邪魔する事となった。 エクレアの家はレンガでできた古くて小さな家であった。 家に入ると優しそうな母親が出迎えてくれた。 「エクレアを助けていただいたようで…ありがとうございます。何もありませんがゆっくりして行ってください」 軽くあいさつを交わすと、ジアンだけまた玄関の方に向かった。 「ほな、フェレオ、ゼロのお守り頼むで」 「うん」 「ジアンどこいくんだ?」 ゼロは慌ててジアンのところに駆け寄った。
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