一章 三人

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「偵察。フェレオの占いどおりか調べてくる」 「俺も行く!」 「あかん。偵察は一人でじゅーぶんや!お前はる・す・ば・ん・や!」 ジアンはゼロの頭をつかむように撫でて言い聞かせた。 ゼロも悲しそうな顔をしつつ、諦めたようだった。 そんなゼロにジアンは微笑んで夜には帰ると言い聞かし、エクレアの家を出ていった。 「ゼロ、どうしたのですか?いつもの元気は」 「………」 ゼロは黙り込んだまま今は使われていない暖炉の横に座り込んでいた。 「そんなに不安ですか?ジアンがいないと」 図星をつくような質問にゼロはからだを抱え込んだ。 小さなからだがますます小さく見える。 「…こわいんだ…」 やっと口にしたかと思えば小鳥のような小さな声であった。 ゼロはたまに感情が不安定になることがあった。 過去に何かあったのか、よほど怖い目にあったのか。 ジアンが少し離れるだけで様子が変わる。まるで餌を探しに飛ぶ親鳥を引き止めるように鳴くヒナのように。
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