一章 三人

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ここまでなぜジアンに固執しているのか、それは、フェレオと会う前の話なので、ジアン以外真相はわからない。 ただフェレオに言えることは 「信じて待ちましょう。ジアンが帰ってくるのを」 「…うん」 声の震えは止まったが、ゼロはそこから動かなかった。 場所は変わり、ジアンはこの町で国家基地と呼ばれている場所へと向かっていた。 その場所は鉄柵で覆われており、立派な城のような建物が建っていた。 町の人が言うには昔の城跡を勝手に利用しているらしい。 鉄柵にはさらにあとから取り付けたのか、侵入者防止用に鉄線が巻かれていた。 ジアンは門番の見えないところで念のために結界が張られてないか調べていた。 「結界もなし…こんなん、空から侵入されたら終わりやん」 国からの使者ならば魔術師に結界を張らせてもっと防壁を強くするはず。 現状からいって一般の人でも魔術を勉強すれば誰でも使えるのにこの警備の薄さはおかしすぎる。
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