一章 三人

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「これは…フェレオの言うとおりかもな…とりあえず」 "我が身に異なる躰を与えよ…" 『トランスミュート』 ジアンは呪文を詠唱し、変身する魔術を唱えた。 徐々に小さくなるからだは毛むくじゃらになりコウモリへと変身した。 「さて…正体暴かせてもらおうか…」 中に入るとそこらじゅうに金と酒の空ビンが散らかっていた。 見張りも入り口に二人だけでほとんどの部屋に人の気配はない。 さらに奥へ進むと数名の下品な笑い声が聞こえてきた。 (…あそこやな…主格の部屋は…) 運良く扉は閉まりきっていなかったため、部屋に入り、目立たないところで様子を伺った。 その部屋にいたのは数人のガラの悪そうな男たちだった。 テーブルにはパンや、肉、魚、酒ビンが並べられ男たちは上機嫌に飲み食いしていた。 「この町の奴らはほんとバカばっかりだな!」 「この分だと一生遊んで暮らせますぜ頭!」 「おうよ…へっへっ…このタンク・アラブル様にかかればこんなもんよ!」 大笑いをしてジアンに気付くことなく酒の勢いでコトの成り行きを自慢げに話していた。
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