一章 三人

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「何事だ!?」と門の見張りにいた一人が爆発したほうに向かった。 さらに隙ができたもう一人にゼロが飛び蹴りをいれる。 「なかなかええ動きや」 「へっへーん!」 「よし、ついでに定期テストでもやろか」 「えー!!」 ジアンの言う定期テストとはゼロの魔術の腕がどれほどか見極めるものだ。 いつもはジアンが相手をし、力比べのようなことをしている。 不定期に行われる上に、ジアンの判定はかなり厳しいものだった。 「今日の結果がよかったら新しい術教えたるで?」 「ホントか!!よーし!」 テンションを高めつつ、ゼロたちは中へと入っていった。 中はジアンが侵入したときとまったく変わっておらず、すんなりとタンク・アラブルのいる奥の部屋に着いてしまった。 「張り合いないな~寝てるんじゃないか?」 「ゼロ、油断しすぎや…!」 ジアンが何かに気付き、真剣な表情になった。 ゼロはわかっておらずきょとんとしている。 「殺気ですね…」 「!」 フェレオの言葉でゼロはやっと気付いた。 奥の部屋は殺気で満ちている。それはゼロたちの侵入に気付かれているということ。
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