一章 三人

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ところ変わって城の外。 ゼロはうまく外へ誘き寄せ、タンク・アラブルを翻弄していた。 「ちょこまかと…!」 「へへっ…あ、そうだ!オッサンに俺のとっておき見せてやる」 「とっておきだと…?」 ゼロは構えると、両手に魔力を集め始めた。 「ふん!!その前にコナゴナにしてくれるわ!!」 "火の精霊よ!俺のスピードと交わり加速せよ!" 「ソニックブレイズ!!」 「ぐあぁあああ!!」 タンク・アラブルに衝撃が走り悲鳴を上げた。 そしてそのまま地に伏した。 「な、なんだ!?今のは!!親分がいきなり焦げて倒れた…っ!」 かろうじて意識を取り戻し、こそこそと逃げようとしていた子分が腰を抜かしてそう言った。 この子分には、いや、タンク・アラブルにも今の術が見えなかったのだ。 早すぎて。 「ゼロ!!」 「あ、ジアン!いつからいたんだ?もうやっつけちゃったぞ?」 「ドアホ!!」 ボカッ!! ジアンの鉄拳がゼロの脳天に振り下ろされ、鈍く響いた。 「なんで殴るんだ!」
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