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ところ変わって城の外。
ゼロはうまく外へ誘き寄せ、タンク・アラブルを翻弄していた。
「ちょこまかと…!」
「へへっ…あ、そうだ!オッサンに俺のとっておき見せてやる」
「とっておきだと…?」
ゼロは構えると、両手に魔力を集め始めた。
「ふん!!その前にコナゴナにしてくれるわ!!」
"火の精霊よ!俺のスピードと交わり加速せよ!"
「ソニックブレイズ!!」
「ぐあぁあああ!!」
タンク・アラブルに衝撃が走り悲鳴を上げた。
そしてそのまま地に伏した。
「な、なんだ!?今のは!!親分がいきなり焦げて倒れた…っ!」
かろうじて意識を取り戻し、こそこそと逃げようとしていた子分が腰を抜かしてそう言った。
この子分には、いや、タンク・アラブルにも今の術が見えなかったのだ。
早すぎて。
「ゼロ!!」
「あ、ジアン!いつからいたんだ?もうやっつけちゃったぞ?」
「ドアホ!!」
ボカッ!!
ジアンの鉄拳がゼロの脳天に振り下ろされ、鈍く響いた。
「なんで殴るんだ!」
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