一章 三人

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「まぁ…所詮、人間なんか冷たいもん…あれ?ゼロ?」 「おい、おっさん」 「!?」 さっきまで捕まえていたゼロがいつの間にかジアンの手をすり抜け、少女と商人の間に割り込んでいた。 ジアンが止める間もなく、ゼロは商人につっかかる。 「別にわざとじゃないんだからそんなに責めなくてもいいだろ!」 「なんだお前…そのガキの仲間か?」 「今日初めて会った!」 「はぁ!?」 「ゼロ!!」 ごちーーん!! 再び鈍い音が響く。 二度のお仕置きに、ゼロの頭には大きなたんこぶが出来上がっていた。 「スンマセン、うちの弟子がでしゃばりよって…」 「いや…」 商人も驚いたようで戸惑っていた。いきなり現れて、いきなり殴ったのだから驚くのも無理はない。 ざわめく中、二人に置いてけぼりをくらったフェレオが野次馬の間からひょこりと現れた。
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