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執務室に戻ると、いつも見ている少女がいた。
「お父さん!お母さんがお弁当届けてきてって」
明るい声。私の宝の愛娘ドロシーだ。
「一人でかい?それともお母さんも一緒かい」
「お母さんは他の人にも作ってきたからって持っていったよ。多分、アゼルさんのとこだと思うよ」
「じゃあお母さんの所まで送っていこう」
娘と手を繋ぎながら部下達がいる部屋へと向かう。
途中で、部下の一人「アゼル=ベクトール」に出会う。
「お、ドロシーちゃんこんにちは。隊長、リリィさんから差し入れ貰いましたよ。いや~、やっぱりいつ食べても最高ッスね。ごちそうさまです」
「アゼルさん、こんにちは。まだお母さんあっちにいた?」
アゼルはドロシーの頭を撫でながら答えた。
「ああ。まだほかの連中に渡してたはずだよ」
「アゼル、後で話がある。用が済んだら来てくれ」
「わかりました、隊長。ていうか、俺より隊長の方が長いんじゃないすか?」
流石は、長年私の補佐をしているだけのことはある。
行動が読まれている。
「いや、今日は我慢する」
「まぁ、あと少しで連休取るんだから我慢してください。んじゃ、後で。ドロシーちゃんバイバイ」
「バイバイ~!」
何度も城に来ているだけあって、ドロシーは他の兵達からも可愛がられている。まあ、嫁にはまだ出さないが。
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