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次の日、私は教室に入った途端、驚愕した。
私の机がひっくり返されていて、見事に机の中身もばら撒かれていたのだ。
「誰がこんな事を?」
震える声で、誰に言うでもなく、私は言葉を発した。周りからは忍び笑いが聞こえてくる。
その笑いは徐々に大きくなっていく。
そんな中、あるグループの中心で穏やかな笑みを零していた男の子が視界に入った。
昨日、バスの中で会った。いつも虐められていた男の子。
その男の子は皆と楽しそうにお喋りをしていた。
そして
そして男の子はこっちを見た。
男の子は昨日のバスで見た笑いをしていた。
それは冷笑。それは嘲笑。
そしてその時私は理解した。
バスの中での男の子の話を。
そして私は言葉を漏らす。
「そうか……今度は私が鬼か……」
私は誰に言うでもなく、言葉を零した。
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