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「大臣!大変です!」
大臣は荒々しく部屋に駆け込んできた部下に驚いた顔で問いただした。
「どうしたのかね?」
「大変なんです!?宇宙から宇宙人が地球に攻めてきたのです!」
「なんだそんな事か、当然に迎撃はしたんだろ?」
悠長な事を言う大臣とは逆に真っ青な部下。
「我が国が持つミサイルを全て撃ちました。ですが敵を一機も落とせてはいないのです!」
「何だと!?」
「このままでは地球は終わってしまいます……」
部下の絶望に満ちた声はやけによく部屋に響いた。
……………
美しい地球。
永い間人間に寄生されていた水の星。
その地球が我々の手に入るのだ。こんなに嬉しい事はない。
地球人など我らの足元にも及ばない。ミサイルなどという古典的で後進的な物しかない。
それだと我らに敵う訳ない。
地球を取った後はさらに宇宙に進出して領土を拡げてやろう。
……………
「うわ、父ちゃん!なんか殖えてる!」
子供が黒いボールのような物を覗いていた。
黒いボールの中は星のような光の粒が満遍なくちりばめられており、何かがワラワラとうごめいていた。
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