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気味が悪いはずなのに、私はいつの間にかドアに手をかけていた。
悪臭など、異臭など、激臭などどこかに吹き飛んでしまった。
事実私にはもうドアしか意識できないでいた。
ドアは簡単に開いた。
以外にも
あっけなく。
そして中を確認するとそこには部屋一面人形で埋め尽くされていた。床が見えなくなるほどに。
そして部屋はびっくりするほど綺麗。ほかの部屋は風化しているのにも関わらず、この部屋だけは新築みたいに綺麗。
私は人形を踏み分け、奥へと進んでいく。
おそらく異臭の根源はこの部屋らしく、部屋中に臭いが充満している。
やばい。
この部屋はやばい。
危ないと私の本能が身体中にアラームを鳴らす。
身体中の隅々まで行き渡らせる。
私は再度、携帯を取り出し短縮呼び出しで電話をかけた。
かけた先は先輩の携帯。
絶対に連絡を取らないといけない気がしたのだ。
(出てください、先輩……)
ピピピピピ……
ピピピピピ……
……
何故?
ピピピピピ……
ピピピピピ……
何故なんだ?
ピピピピピ……
ピピピピピ……
何故先輩の着信音が『この部屋から』聞こえてくるんだ!?
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