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(嘘でしょ?)
私は音源へと近づいてゆく。
着信音が頭の中で反響し、突き抜けていく。
着信音は、人形の山の中から聞こえてきていた。
(嘘でしょ?)
私は人形を必死で掻き分けた。
掻き分けた先、そして現れたのは顔が青白くなり、動かなくなっている先輩。
(……まさか)
私はなぜか部屋中の人形の山を調べた。
出てくるのは肉が腐敗し始め、人形に埋もれた子供の死体ばかり。
いずれも
行方不明になった子供達。
逃げろ。
今すぐ逃げろ。
頭の中からの最終通告がきた。
「そのにんぎょう達には飽きちゃった」
だが手遅れだったらしい。
突然聞こえた声に驚き、振り返ると、部屋の入り口には公園で会った女の子が道を塞いでいた。
女の子は不気味で嫌らしい笑いを纏い、私を見ている。
「ねえ、お姉さん」
女の子はゆっくりと部屋に入ってきた。
「人間(にんぎょう)遊びしましょ?」
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