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ーーAM6時。2年間の空白を埋めるかのように、あっという間に2日間が過ごしていった。今日は病院に戻る日だ。外は今日も、静かに雪が降っていた。
車に乗る前に、「またしばらく見れなくなるから」と、僕は庭へと足を運んだ。そこには昔からあった大きな木が、雪にまみれてそびえ立っていた。
しばらくボーっと見つめていると、母が僕に言った。
「冬は必ず春になるんだよ」
この言葉と、雪にまみれても微動だにせず春の訪れを待つ大きな木の姿に、僕は強く励まされた。
空から降りてくる雪が、白い花びらとなって枯れた木を彩る
雪桜ーー春とはまたひとつ違う、冬に咲く桜ーー
僕にはこう見えた
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