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白いドレスを纏い、くるくると巻かれたブロンドの髪を耳の横で束ね、より一層美しい顔を目立たせていました。
深々と丁寧に挨拶した後、ゆっくり深呼吸をして歌い始めました。
それは風の音よりも鳥の鳴き声よりも美しく、響き渡る様な綺麗な声です。
聞いている人々の表情は嬉しそうで幸せそうで、今にも泣き出しそうな人もいます。
そんな誰よりも素敵な笑顔の愛音の歌声は、何処までも何処までも響いていました。
「本当に美しい歌声ですよね」
女性の隣りには、いつの間にか王様の付き人の男が嬉しそうに立っていました。
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