sound festival

3/5
前へ
/948ページ
次へ
 白いドレスを纏い、くるくると巻かれたブロンドの髪を耳の横で束ね、より一層美しい顔を目立たせていました。  深々と丁寧に挨拶した後、ゆっくり深呼吸をして歌い始めました。  それは風の音よりも鳥の鳴き声よりも美しく、響き渡る様な綺麗な声です。  聞いている人々の表情は嬉しそうで幸せそうで、今にも泣き出しそうな人もいます。  そんな誰よりも素敵な笑顔の愛音の歌声は、何処までも何処までも響いていました。 「本当に美しい歌声ですよね」  女性の隣りには、いつの間にか王様の付き人の男が嬉しそうに立っていました。
/948ページ

最初のコメントを投稿しよう!

445人が本棚に入れています
本棚に追加