music only of flute

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 しばらく吹いた後、女性は国の中を歩き回りました。  その国にはあちこちに“音楽室”と看板の掛かった建物が目につきます。  建物自体は大きかったり小さかったりしましたが、どれもみな重そうで大きな扉が付いており、その中でも一番大きな建物の“音楽室”には真剣なそして緊張した面持ちの人が入って行き、変わりに別の人が肩の荷が降りたかの様なサッパリした笑顔で出て来る、と言う様子を、その近くにあった喫茶店でアフタヌーンティーをいただきながら女性は眺めていました。  紅茶に口をつけ、何人目だろうかもう分からない人の出入りを見つめていると、可愛らしいエプロンを身に着けた少女がおかわりを勧めに来ました。
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