目撃

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「母さん!?母さん!?」 家の中に母の姿は見当たらない 「どうなってんだよ...」 『しゃがみ~こぉむ~』 携帯の電話着信音が流れる 『せな~かぁお~』 誰かが俺に電話をかけている 『さすぅってくぅれる~』 一筋の希望 俺は電話に出た 「はい」 『雄一か?』 「あぁ...新一だな?」 『そうだよ ってそれどころじゃない 俺の家に誰もいないんだ』 「俺の家もだよ」 『この時間は母と兄が居るはずなんだよ』 「とりあえず一度会おう」 『そうだな...』 「今すぐそっちに向かう」 『分かった』 俺は家を飛び出し 自転車に股がった ―――――岡本の家―――――― 「もしもし」 『岡本か?』 「あぁ」 「今すぐ俺の家に来い」 『俺の家に誰も――』 「俺も雄一もだよ」 『...分かった』 『すぐに行く』 ――――――10分後―――――― 「雄一」 「ん?」 「倉持来ないなぁ」 「倉持なんか死ねばいいのに」 「................」 「冗談だぞ?」 「俺達も消えるかなぁと思って」 「新一 マイナス思考は良くないぞ」 「その可能性は――」 「限りなく100%に近いな」 「倉持...」 「これで揃ったな」
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