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わたしはずっと
春を待ってた。
真っ白なこの世界が
鮮やかな色で染まる 春を。
そして…
わたしの心を
鮮やかな色で染める ひとを。
もし そんな人に出遭えたなら
わたしにも わかるかな
鮮やかな赤は
近寄るなの警告を出す
だけど その色は
あまりにも鮮やかすぎて
わたしは 知らずに
心を奪われていた。
だから 白い木蓮の花を見ると
無性に 傷つけてみたくなった
バラバラに契って
めまいがするほど
自分色に汚した。
だけど
どんなに傷つけても
汚しても
白い花は散る時まで
キレイなままなんだ。
傷つけても
汚しても
毎年同じ頃には
同じように咲くんだ。
何度 散っても
何度 朽ちても
木蓮は春に焦がれて
花開く
でもね。
木蓮の花は
春を見れないんだ。
それは 木蓮の花が散って
春が来るから
だから わたしは
木蓮のかわりに
春を待っていた。
そして やっと…
春をみつけた。
鮮やかに わたしの心を
染める
桜の花のような きみと。
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