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「うおおおお!」
「お、最近強くなってきたな」
大会前日とはいえ、リストは修行を休むことはなかった。
親方が様子見にきていた。
「親方!」
「そのやり方、すずにしごかれたな」
「そうだよ」
「それにしても、大会前日だというのに張り切ってるな?」
「優勝しろと言ったのは誰ですかね?」
「あはは・・・、そうかいそうかい・・・」
親方はそう言って去って行った。
「そういえば、坑道で稀に取れる星雲石と言う鉱石で作り上げた武器が結構扱いやすい、とすずが言っていたような気がする・・・」
こうして、リストは坑道へ行こうとした。
リストが工房の裏口から坑道へ出ようとした時のことだ。
「リスト、元気そうね?」
工房にリストの母親リムが来た。
「あ、どうも・・・」
親方はあまり元気なく挨拶をした。
「早速だけど、リストにそろそろあれが必要かなってね・・・?」
すると親方は急に元気になりだした。
「ああ、あれか! そろそろ必要になってきたな」
「あれって・・・、ああ、やっとか・・・」
あれとは、鍛治の技術をもたらしたと言われている召喚獣と共に鍛治の修行をすることだ。
鍛治師にはある程度の修練を積んだ者に召喚獣を鍛治のパートナーとして共に過ごすことになっているのだ。
それは何故かと?
簡単だ。召喚獣と共に作り上げた武器には不思議な力が宿ると言われているのだ。
ちなみに、リストは1人でそのような武器を作り上げたことがあるのだが、それは真の力とは言えないのだ。
「ああ、やっと・・・やっと・・・」
説明が遅れたが、リストの母親は召喚師であり、召喚術の勉強中に誰とも知れない召喚師に召喚されてこの世界にきたのだ。
「ちょっと待って 今から行うことはどちらにも不都合なものに絶対なるのよ 分かってる?」
リストははっきりこう言った。
「分かってない」
「はぁ・・・ わたしもそうやってこの世界に召喚されてきたのに・・・」
「分かった分かった・・・ だから、嘘泣きはよしてくれよな」
リストは母親を制止させた。
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