涙のマウンド

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『ストライク…バッターアウト!!』 主審の大きく響き渡った声が、僕たち綺羅星学園の勝利を告げた。 球場の大歓声に包まれながら… キャッチャーがピッチャーの元へ駆け寄ると同時に、各守備位置に散らばっていた選手が駆け寄る。 そして、僕も勢いよくベンチから飛び出した。 『やったぁ!!』 『甲子園に行けるぞぉ!!』 『優勝だぁ!!』 それぞれが勝利の雄叫びを上げていた。 だけど… その勝利を喜び合う輪の中心にいるべき人物がいないのだ。 達也先輩がいない…。 僕はなぜか嫌な予感がして… すぐに達也先輩が守り切ったショートのポジションに目を向けた。 球場は、 さっきまでの歓声ではなく、悲鳴がざわついていた。 達也先輩…?
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