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「はぁぃ、もしもし。」
「んもぅ、やっと電話が通じた。」
美礼も受話器越しに溜め息をついてる。
「あー…。ごめんね。」
「久し振りにたまには麻衣、帰っておいで。そんなにそっちは住みやすいの?」
聞きなれた声はひとときの安心をくれる。
"美礼 ありがとう"
地元を離れて連絡をくれるのは美礼くらいだ。
「もうすぐ5月になっちゃうよ。きっと省吾。待ってるよ。」
言葉が出てこない。しばらくの沈黙の後、寂しそうに呟くように答える。
「省吾に会う資格なんて私にはないよ。」
その後に茶化すように私は言葉を続けた。
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