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「何があったかは俺に関係ないけど・・・どっか入るとかしなよ。」
彼は雨が降る中傘をささず、歩いて行った。
「・・・え・・・?」
振り返らずに静かに消えて行った後ろ姿。
ただのナンパ男かと思ったのに。
まだ9月の頭だというのに、少し寒気を感じた。
気づいたらさっきまで溢れてた涙も止まり、なんだか傷付いた胸も落ち着いていた。
「・・・・・・帰ろ」
彼が置いていってくれた傘をさして歩きはじめた。
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